嬉しかった運動会

 私は7年ぶりに、北九州市にある明治学園中学・高等学校に戻りました。 新年度が始まった3週間ほど経たった4月28日が中高の運動会でした。お天気に恵まれ、嬉しい一日を過ごすことができました。

運動場での約1200名の生徒たちの整列、開会宣言、主の祈り、学校長挨拶、生徒代表の宣誓、吹奏楽部の伴奏で校歌を歌い、それから各学年の競技が始まりました。

私は、その一つ一つの競技を見ながら、生徒たちの姿の中にまるで命が生きよう、生きようとしていることが感じられるかのようで、嬉しくなりました。「一個一個の細胞は、毎日毎日一瞬も休むことなく、みごとにお互いに助け合って生きています」「みんなそれぞれ、自分の役目を一生懸命果しているのです」「細胞は自分自身を活かしながら、肺や心臓などの臓器のために働いています。臓器は、あなたのからだのために働いています。細胞も臓器も、みんな助け合って生きています」(村上和雄×葉祥明「世界は1つの生命からはじまった」より)。生徒たちの体の細胞のすべてが、休むことなく、大空に向かって生きよう、生きようと声をあげているかのように感じられ、嬉しくなりました。そして、その生徒たちから生きよう、生きようとする命を私ももらうかのようでした。

私は非常勤講師ですので、運動会のために特別な係りはありません。それでも、養護教諭や補助のシスター、また係りの生徒たちのお手伝いでもできたらと思い、救護係りのテントの中にいさせていただきました。擦り傷などで救護係りのテントにくる生徒はそれなりにいますので、私はアヴェ・マリアの祈りを繰り返しながら、「マリアさまは私たちのお母さんですから、この生徒たちを守ってください」と、ずっとずっと、運動会中、心の中で祈っていました。

運動会の最後の種目は、総合三色対抗リレーでした。中一から高三までを縦割りにして、赤、青、黄色に分かれて、6人が一組になって走ります。中一からスタートして、高三へとバトンを渡し、互いに競い合って、一人ひとりが一生懸命に走り抜いていく姿に私は感動しました。その力いっぱい走り抜く姿はさわやかで、美しい姿でもありました。オリンピックで、「感動をありがとう」ということばをよく耳にします。私も生徒たちの姿から、「感動をありがとう」ということばが自ずと湧いてきました。

新学期が始まって、通常の業務の他に、そのクラスを一つにまとめていく大変さ、生徒たちが安心して学校生活を送れるように、生徒たちとの信頼関係を築いていくための大変さを思うと、運動会を迎えられるまでに生徒たちを引っ張ってこられた先生方のご努力に頭が下がりました。そして、先生方がお互いにフォローし合って、競技が綿密に行われていくのを見るときに、先生方同士の信頼関係もよく感じられ、嬉しくなりました。

7年ぶりの運動会は、私にはさわやかで、美しい、命いっぱいの一日でした。

(Sr.兼松益子)