8/22 若い人のための日曜日の聖書 年間第21主日  ヨハネ 6:60-69

総会中のミサ。Virtual Mass? いいえ、リアルでした!奉納は、ホンジュラスで歌われる聖歌に合わせて、日本(ろうそく)、カナダ(ぶどう酒)、アメリカ(パン)、カメルーン(果物)で同時に行われました。

この夏は、私にとって、四つの出来事が絶妙に重なった夏でした。

修道会の5年に一度の総会、4年のはずが5年ぶりになってしまったオリンピック、猛威を振るうコロナ禍、そして猛暑と雨という自然災害。

総会について、少し書きたいと思います。

当初の予定では、カナダのプリンスエドワード島で開催されるはずでした。

プリンスエドワード島といえば、(今の若い人にはあまりなじみがないかもしれませんが)『赤毛のアン』の舞台。子どもの頃に夢中になって読んだアン・シリーズの世界に行けるなんてラッキー!と思っていました。グリーン・ゲイブルス、シャーロットタウン、サマーサイド・・・昔々、夢見た場所を歩けるのです!・・・が、その夢を打ち壊したのはコロナでした。

5月31日に、バチカンからオンラインで総会を行うお許しが出て、それから開幕の7月26日までは、修道会をあげてバタバタでした。

国際会議のために、時間的にもっとも被害を被った日本の私たちは、早朝5:00~8:30、または深夜21:00から00:30までが会議の時間帯となり、肉体的には辛い3週間でした。

それでも、Zoomによる総会のよかった点もたくさんありました。

まず、雑音が一切入らず、まるで黙想会の中にいるかのような雰囲気で姉妹の分かち合いに耳を傾け、識別に集中できたこと。

発言のハードルが低かったこと。実際の会議場だったら、発言するにはマイクのところまで歩いていかなくてはならず、発言の苦手な日本人としては、マイクの前に列ができていると、ついつい遠慮してしまいます。Zoomなら「手を挙げる」だけで、順番に発言をまわしてもらえます。

様々な工夫をして、まるで一つのところにいるかのような臨場感のある「ミサ」を体験できたこと。

そして、ふと思ったのです。

これって本当にVirtual?

そして、日本にいながらにして世界中とリアルタイムで繋がることは、どこかで、二千年以上前にこの世に存在されて、今も私たちと共にいてくださるイエス様と繋がることに似た感覚ではなかろうかと。

今回の福音箇所は、パンの増加の奇跡に続くヨハネ独特の難しい、そして長い問答の果てに、「弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった」まさにその時に、12弟子が問いかけられるシーンです。

「あなたがたも離れていきたいか」。

ペトロはあわてて答えます。

「とんでもない。あなた以外のだれのところに行けとおっしゃるのですか?」

このペトロの言葉は、ミサの聖体拝領直前に私たちが唱える句になっていることで、信者の間では、有名です。

でも、どれほど真剣にこの言葉を唱えているでしょうか。

「あなたがたも離れていきたいのか」というイエス様の寂しい寂しい問いかけへの答えなのに。

こんな風に書きながら、もっとも反省させられるのは実は私自身です。ミサのオルガニストをつとめることが日常化しているので、この言葉をうわの空で唱えながら、思いはひたすら拝領時に弾くオルガンのことばかり!

イエス様をさらに寂しがらせるのでなく、お喜ばせしたい、とあらたて切に願います。

8月16日から、東京教区内はしばらく公開ミサは中止です。でも、神父様方の計らいで、修道院にはほぼ毎日、姉妹たちだけの「非公開ミサ」があります。ミサに与りたくてもそうできない多くの信者さんたちのためにも、心してこの言葉を唱えたいと思います。

「あなたをおいて、だれのところへ行きましょう」、と今もレアルに私たちと繋がってくださるイエス様に。

≪聖書箇所≫ ヨハネ 6:60-69
(そのとき、)弟子たちの多くの者はこれを聞いて言った。「実にひどい話だ。だれが、こんな話を聞いていられようか。」イエスは、弟子たちがこのことについてつぶやいているのに気づいて言われた。「あなたがたはこのことにつまずくのか。それでは、人の子がもといた所に上るのを見るならば……。
命を与えるのは“霊”である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である。しかし、あなたがたのうちには信じない者たちもいる。」イエスは最初から、信じない者たちがだれであるか、また、御自分を裏切る者がだれであるかを知っておられたのである。そして、言われた。「こういうわけで、わたしはあなたがたに、『父からお許しがなければ、だれもわたしのもとに来ることはできない』と言ったのだ。」
このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった。そこで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいか」と言われた。シモン・ペトロが答えた。「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」