3/6 若い人のための日曜日の聖書 四旬節第1主日 ルカ 4:1-13

もう一度、“Pray for Ukraine”。このあとに、「ある人物」の名前を続けて祈っています。

私が初めてウクライナという地名を知ったのは、キエフバレエの『白鳥の湖』を上野の文化会館に見に行った時でした。旧ソ連時代。ボリショイバレエの華やかさやキーロフバレエ(現在のマリインスキーバレエ)の重厚さと違って、ひたすら嫋やかで抒情的なキエフバレエにすっかり魅了されました。

その後、チェルノブイリ原発の爆発事故と共に、ふたたびウクライナの名前が聞こえてきました。1986年。私は、イタリアに留学中でしたが、人々の不安そうな顔や牛乳や葉物の野菜が店頭から消えたことが印象に残っています。

次は2014年のクリミヤ半島、そして今回。

「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ」。

このところ、メディアでしばしば大写しになるある人物の顔を見ると、悪魔とこの取引してしまったように思え、憤懣やるかたない気持ちになります。

そして、「イエス様、どうして二千年前に悪魔をやっつけなかったのですか?白鳥の湖のジークフリート王子が悪魔ロットバルトをやっつけたように」と。

それから・・・次のイエス様の言葉を思い出しました。

「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。・・・言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることができない」。

ウクライナの人々に心を寄せ、何ができるかと考えることはもちろん、「ある人物」の回心のために祈らなくてはならない、と気づきました。

イエス様が、なぜかはわかりませんが滅ぼさなかった悪魔に対抗するには、祈るしかないのだなあと。

この四旬節、「敵」のために祈ることをじぶんに課していきたいです。

 

≪聖書箇所≫ ルカ4:1-13

(そのとき、)イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって引き回され、四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。そして悪魔は言った。「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ。だから、もしわたしを拝むなら、みんなあなたのものになる。」イエスはお答えになった。
「『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』
と書いてある。」そこで、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて言った。「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。というのは、こう書いてあるからだ。
『神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。』
また、『あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える。』」
イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」とお答えになった。悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。