5/29 若い人のための日曜日の聖書 主の昇天の主日 ルカ24:49-53

まさにご昇天を思わされる今朝の青空

「懐かしい」と言う感情・・・胸の奥が、もやもやとあったかくなってきて、甘酸っぱいような何か言い表しがたい感情。必ず過去を振り返るわけですから、後ろ向きなように思いますが、最近の脳科学や医療現場では、ストレスの溜まった脳を健康にする特効薬と考えられているとのこと。どうしてかなぁと思って調べてみたところ、懐かしさに浸っているときに働く脳のネットワークが、未来の計画を立てているときに使われるネットワークとかなり重複しているからだそうです。

神様が、こんな複雑なネットワークを私たちに与えてくださったことに感謝!

さて、復活されたイエス様は40日にわたって弟子たちに現れました。

愛するイエス様との最後の食卓、イエス様の逮捕、十字架、死…このようなショックな出来事から癒されるには40日と言う日が必要だったのでしょう。挨拶をしたり、お話をしたり、一緒に歩いたり、食事をしたり・・・
そのような折に弟子たちの胸に去来していたのは、どのような感情だったでしょうか?もしかしたら、「この幸せが永遠に続けばいい」と言うようなノスタルジックな思いだったかもしれません。
でも、その「幸せ」には終わりがありました。今回の福音に語られているように、イエス様は天に上げられます。取り残された弟子たちは、イエス様の消えた天をしばらくぽかんと見上げた後、大喜びでエルサレムに帰ったとあります。

彼らは、まだ聖霊降臨を体験していないのですが、イエス様と一緒に十分な時を過ごした後、「何か素晴らしい未来」「別の幸せ」に向かえる「高い所からの力に覆われる」日を待つ喜びにあふれていたのでしょう。

ウクライナの先行き、世界の先行きが見えないように、私たち個人の先行きも見えません。教会も修道会も同じです。

たとえそうであっても、せっかく神様が与えてくださった「懐かしさ」の効用を生かして、未来に向かっていきたいと思います。

 

≪聖書箇所≫ ルカ 24:49-53

(そのとき、イエスは弟子たちに言われた。)「(聖書には)次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、あなたがたはこれらのことの証人となる。わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」
イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。